Q&A

お客様から寄せられるよくあるご質問を掲載しています

***

賃貸借契約に関するQ&A

賃料が近隣に比べて高いと思うので、減額してもらいたいと考えています。
どうしたらいいですか?

まず貸主に事情を伝えて、賃料減額の話し合いをしてみてください。話し合いで減額されない場合は、裁判所の利用を検討してください。賃料減額の場合、まず簡易裁判所に調停を申し立ててください。調停でも解決しない場合は、訴訟をすることになります。
ただし、調停、訴訟の最中でも賃料を支払うことを忘れないでください。新賃料が決まるまでは賃料は支払わなくてもいいと思っていると、債務不履行により賃貸借契約を解除されてしまうこともあります。ときには貸主が賃料を受領してくれない場合もありますが、そのようなときでも賃料を供託することで支払わなければなりません。

賃貸借契約の更新に際し、貸主から更新料の支払いを請求されました。
更新料は支払わなければいけないものですか?更新料の目安はどうなっていますか?

更新料が必要かどうかは、まず賃貸借契約書を読んでみてください。契約書に約定があれば、支払わなければなりません。約定がなければ、更新料の支払いは法律で決まっているわけではありませんので、貸主との話し合いによります。
更新料は、立地条件や利用状況(住居用途か店舗用途か)などによっても大きく左右され、ケースバイケースと言わざるを得ませんが、借地の場合には土地の借地権価格の5%程度、借家の場合には賃料の1から2か月分というのが多いように思われます。

アパートの賃貸借契約期間が満了しました。今でも、そのまま住んでいます。
このまま住み続けることは違法でしょうか?

賃貸借契約は、期間満了後は自動的に更新されていますので、そのまま住んでいてかまいません。これを法定更新といいます。この場合の契約内容は、これまでの契約内容と同一です。ただし、期間の定めのない契約となっています。

アパートを退去する際、貸主側から原状回復費用の請求をされています。
どの範囲まで支払う必要があるのでしょうか?

借主は退去にあたって、物件の原状回復義務を負っています。ただ、原状回復といっても、物件を借りた当時の状態に戻すということではありません。借主が通常の使用方法によって使用していれば、新品に交換する必要はなく、そのまま貸主に返還すればいいのです。例えば、不注意で壁に穴を開けてしまった場合は、修理代を払う必要がありますが、何年も居住し、壁紙が自然と黄ばんできたような場合には、通常修理代を支払う必要はありません。

敷金とはどういうものですか?

敷金は、賃料その他、賃貸借契約に関し借主が賃主に対して支払うべき金銭の担保として、借主が貸主にあらかじめ預けておくものです。

敷金は、いつ返してもらえるのですか?

敷金は、借主が退去するまでの間の損害を担保するものですから、物件を返還した後で返してもらうことができます。

敷金は、どれくらい戻ってくるのでしょうか?

敷金は、借主の不注意等による損害を担保するものなので、借主が何らの損害を与えていなければ、全額戻ってきます。ただ、通常は、退去するときに原状回復費用を多少は負担しなければならないので、原状回復費用を差し引いた金額が戻ってくることになります。もちろん、延滞賃料があれば、それも敷金から差し引かれます。

物件を借りている途中で、大家さんが代わりました。
だれに敷金の返還を請求したらいいのですか?

物件の売却により大家さんが代わったときは、新しい大家さんに敷金返還義務も引き継がれますので、新しい大家さんに敷金を返すよう請求します。他方、競売によって大家さんが代わったときには、新しい大家さんに敷金返還義務が引き継がれない場合もありますので、その場合は、もとの大家さんに請求します。

貸主編

借主が賃料を何か月も滞納しています。どうしたらいいですか?

まず借主に催促してみましょう。そのうえで、借主に支払いの意思があるのであれば、支払条件を話し合うことになります。借主に催促をしたが無視された、支払うとは言うものの働いていないとかで現実的ではない等の場合には、明け渡し手続きに着手した方が良いと思います。

賃貸借契約書に「賃料等の支払いを2か月以上怠ったときは、何らの催告も要しないで
ただちに本契約を解除することができる」と書いてあるので、催告をせず、契約を解除して明渡をさせることができると思うのですが、どうでしょうか?

賃貸借契約を解除できるのは、貸主と借主との間の信頼関係が破壊されたと評価できるときです。やむを得ない事情で遅れることもありますので、契約書にそのような文言があったとしても、必ず契約を解除して明渡されるとは言い難いです。滞納した事情を個別に検討する必要があります。

借主が賃料を滞納しているときに、明渡しをさせる手続はどうしたらいいですか?

まず、内容証明郵便で、相当期間を定めて滞納賃料の支払いを催告し、賃貸借契約を解除します。そのうえで、借主に退去してもらいます。もし、借主が退去しない場合には、建物明渡訴訟を提起します。明渡判決が確定すれば、退去していく場合も多々みられます。それでも退去しない場合には、強制執行により退去させます。

裁判をして借主を退去させる場合、費用や期間はどれくらいかかりますか?

弁護士に払う費用としては、60万円程度から80万円程度必要となります。その他、裁判所に払う費用、強制執行で払う費用も含めると、トータルでは少なくとも100万円はかかると考えておいてください。また期間は、明渡が完了するまでに半年くらいはみておいてください。

アパートが老朽化し、周囲にはマンションも建ってきているので、この機会に土地を更地にして売却したいのですが、借主に退去してもらうにはどうしたらいいですか?

まずは、借主に退去してもらうよう、話し合いをしてみてください。その場合には、相手の出方次第では立退料などの経済的負担が必要となるかも知れません。たとえ、賃貸借契約の契約期間が満了するまで待って、退去してもらおうと考えていても、契約更新を拒絶するには、拒絶するだけの正当事由が必要です。正当事由がなければ、契約期間満了を理由に退去させることはできません。正当事由があるかは、貸主・借主双方の建物使用の必要性、建物の利用状況、現況、これまでの経過、立退料の提供などを考慮して決定されます。 話し合いをしても借主が退去しない場合には、訴訟等を利用することの検討をしてください。

借主に対して、立退料をいくら払えばいいのですか?

立退料がいくらかは、一義的に決まっているわけではなく、あらゆる事情を考慮して個別に決めます。居住用の物件の場合は、移転先の敷金、仲介手数料、引越代は最低でも必要となるでしょう。一方、営業用の物件の場合は、その他に内装費や備品類の費用、営業補償も考慮しなくてはなりません。ですから、数百万から場合によっては数千万円の立退料が必要となるでしょう。